切っても切っても一向に減らない天人との戦に俺たちは疲弊していた・・・
一時撤退の為に互いに背中合わせの状態で頃合を計っていた。
戦が進み天人の数が減ったきた。
増援が来る前に、撤退しようと4人が目で合図をし一斉に雪山のほうに向かって走り出す。
雪山に入ってから散開する。
別行動になってから予め打ち合わせで決めたいた集合場所が記された地図の確認した。
確認後に元の場所に仕舞おうとしたとき強風により地図を紛失した・・・
あの地図が無ければ目的地にたどり着くのも不可能に近いものがある。
俺は自分の感と記憶を頼りに歩き出した・・・
山中は雪深く幸いにも吹雪だったため天人の追撃を免れるだろう・・・
しばらく歩き続けた・・・
集合場所はそんなに遠くにはしていなかったらそろそろ着いてもおかしくは無い。
雪が降る前に確認したときは、それほど掛からず目的地に着いた。
立ち止まり辺りを見回してみたが吹雪のため目先すら見えない状態だ・・・
もう少し歩いて様子を見ようと思い戦いと雪の中で歩き疲れている身体に鞭を打って歩を進めた。
数十分前に比べると大分吹雪きも収まってきた。
しばらく歩き続けると拓けた場所にたどり着いた。
ここが集合場所かと辺りを見回してみたが、集合場所に目印としてあった大きな岩が無い・・・
何時間も雪山を彷徨いたどり着いた場所は目的の所ではない事に焦り走り出す。
中心部に差し掛かる頃、足が縺れ雪の中に倒れこんでしまった・・・
上体を起し足と力を込め起き上がったが今度は後ろ向きに倒れてしまった。
精神的にも肉体的にも、起き上がる気力すら残ってない。
「俺は・・・このままここで・・・死ぬのか・・・っ?」
嫌な考えが頭を支配する。
このままではダメだと頭が思っていても身体が動かない。
雪の上に倒れてもうどれくらいの時間が経っただろう。
まだそんなに経ってない気がする。
でもそんな事も判ら無くなってくるくらい意識が朦朧とし始めてきた・・・
眠ってしまえばお終いだとわかってはいる。
しかし瞼は自然と塞がっていく・・・
「・・・ここまでか・・・はっ・・・なさけねぇな・・・」
ここで俺の意識は途絶えた。
遠くで俺を呼ぶ声が聞こえる・・・
「・・・か・・・・・・・ぎ・・・・・」
「・・・・・・・・・・すぎ・・・・」
意識が途絶えてからどれくらいの時間が経ったのか。
身体が温かい・・・
人のぬくもりを感じる。
誰かに抱きかかえられているのかそう思い俺はゆっくりと重たい瞼を開く。
目に飛び込んできたのは鮮やかな銀色・・・
「・・・ぎ・・・銀っ・・・時・・・・?」
ゆっくりと言葉を紡いだ時、瞬間的に身体を離された。
身体を離され残念に思った。
もっとこのぬくもりを感じでいたい・・・
そう感じでいたのだ・・・
「っ・・・・高杉っ!!!!!!!お前・・・意識が戻ったのか・・・?」
「・・・あぁ・・・」
「・・・っ!!!!」
そう短く返事を返した刹那、抱きしめられていた。
「・・・ぉい・・・テメェ・・・なに・・・・・してやがる・・・」
抱きしめられた身体に、震えが伝わってきた・・・
頬にも冷たいものが滑り落ちる。
こいつ・・・泣いているのか・・・なんでだ・・・・?
まだよく回らない思考でそう考えていると銀時から言葉が紡がれた。
「・・・よ・・・・った!!!」
「あっ?なに言ってんだ・・・??」
俺はちゃんと聞こえてなかったので聞き返した。
銀時は先程よりさらに強い力で俺を抱きしめた。
そしてもう一度紡がれた言葉・・・
「っ・・い・・・・・・生きてて・・・良かった!!!!!」
「!!!!!」
嬉しかった。
本当に嬉しかった。
俺にも心配してくれる人が居る。
迎えに来てくれる人が居る。
俺は銀時の背中に手を伸ばし力をこめた・・・
深々と降り積もる雪の中・・・
俺たちは互いのぬくもりを感じ合った・・・・・・・
終